現在のサーバの回線は、ADSLで上り回線速度(ベストエフォート)が1Mbpsで、サーバ用回線としては遅い。光回線の場合、上りも下りも回線速度(ベストエフォート)で100Mbpsである。私のホームページ「里山を歩こう 吉備路散策」は、Flashを多用しファイルサイズが大きくて、ダウンロードするのに時間がかかっていた。
私の住んでいる地域にも、やっと光回線が利用できるようになり、早速NTT西日本に申し込んだ。同時に固定IP8が割り振られているプロバイダに変更手続きをおこなった。
ADSLフレッツから光フレッツに変わることにより、固定IPアドレスも変更されるとのことであった。このIPアドレスの変更が、後でDNSサーバが機能しない原因になるとは、この時点で気づかなかった。

現行のサーバも自作で、マザーボードVIA EPIA-ME6000を使用したファンレスタイプであるが、3年6ヶ月間稼動しており、そろそろ新サーバに切り替えても良い頃であった。
省電力、低価格で人気のCPU Atomを使用して新サーバを制作することにした。部品を集めるに先立って、要求しようを整理した。
    1. 1年中稼動させるので、省電力であること。
    2. リビングに置くので、ファンレスで、できれば無音であること。
    3. LANが公開用とメンテナンス用の2ポートあること。
    4. サーバー費用は4万円以内のこと。
    5. OSはDebian lannyを使用する。
仕様に基づいて、部品パーツを選択し、パーツ販売店から購入した。参考までに型番と購入価格を記載しました。

パーツ名 型番 購入金額
マザーボード JETWAY JNF94-270-LF 14,769
PCケース(電源内蔵) UNITCOM ITX-100/60W 9,979
SSD CFD CSSD-SM32NJ 8,979
メモリー ノーブランド 200PIN SODIMM DDR533(DDRU)1G 1,269
LANアダプター CG-FEUSBTXCG 1,980
OSとアプリケーション Debian lenny とアプリケーション 0
36,976

1.マザーボードは、Atom搭載のファンレス仕様から、ネットブック用途のAtom N270搭載、チップセットはintel945GSE + ICH7M搭載のJETWAY製のJNF94-270-LFを選択した。インテル純正のマザーボードに対して高額であるが、ファンレス仕様にこだわってこのマザーボードに決めた。
2.PCケースは、Atom仕様で60Wの電源アダプター付のケースUNITCOM ITX-100/60Wとした。
3.HDDにするかSSDにするか迷ったが、無音にこだわってSSDを選択した。コストパーフォーマンスと読込み速度から、CFD CSSD-SM32NJを採用した。個人使用のサーバなので、32GBあれば充分な容量である。
4.メモリーは、マザーボードの仕様に合わせて、ノーブランド200PIN SODIMM DDR533(DDRU)の1Gを選択した。
5.LANは、 マザーボードにGigabit-LANを搭載しているが、サーバとして使用するには、公開用とメンテナンス用の2ポートが必要である。マザーボードには、PCI拡張スロットを1つ持っているが、PCケースの関係でLANボードを組み込むことができないので、USBタイプのLANアダプターCG-FEUSBTXCGをメンテナンス用のLANポートとした。
6.モニター、キーボード、DVD(CD)ドライブは、サーバの場合は常時使用するわけではないので、OSをインストールする時は、手持ち品を流用した。DVD(CD)ドライブは、外付けのUSB接続の手持ち品を使用した。小さな筐体にファンレス仕様なので放熱の意味からも、DVD(CD)ドライブを内蔵しないことにした。


消費電力

このパソコンの消費電力を推定してみる。実測する装置を持っていないので、Web上に掲載されているパーツの消費電力を加算して推定する。
Atom N270:2.5W、 intel945GSE:4W、 ICH7M:1.5W、 SSD:2.7W、 合計すると10.7Wになる。
ACアダプターやその他の損失を加えると20Wぐらいと推定する。サーバの消費電力が、蛍光灯1本ぐらいなので、大満足です。


PCの組み立て

自分でパーツを集めてPCを組み立てるのであるから、特別な組立て説明書は無い。マザーボードとPCケースに付属の簡単な説明書を頼りに、PCを組み立てた。一度パソコンを組立てた経験のある人であれば、組立てできる。
このマザーボードは、ノートブック使用なので、Biosのパワーマネージメントのデフォルト設定がセーブになっている。常時稼動するようにセーブ機能をオフに変更する。


Debian lennyをインストール

このサイトの「Debianをインストール」にしたがってインストールした。lenny版とetch版でインストールのステップ画面の表示が若干異なる程度であった。
Debianの基本パッケージをインストールした後は、ssh-serverをインストールし、TerTermでSSH経由でアプリケーションのインストールおよび設定をおこなった。
このサイトの「Debian etchのサーバ構築」の手順に従って、インストールと設定を行なった。読み替えることによって、lenny版にも対応可能なことが分かった。Apacheのコンフィグの構成が一部変更になっているので、その解説は、「lennyとetchの違いで」でおこなう。

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光フレッツ工事日までには、新サーバの設定およびWEB表示のテストは完了していた。
配線工事を終え、光電話の設定と通信テストを完了した後に、NTTの工事担当者から引渡しを受けた。
光電話付の光フレッツの場合、3台の機器が取り付けられた。
    1. 回線終端装置(ONU)
    2. 加入者網終端装置(CTU)
    3. VoIPアダプタ(2チャンネル用)
これらの機器を見るのもさわるのも初めてである。


加入者網終端装置(CTU)の設定

私は2つのプロバイダと契約している。一つは、一般家庭が契約しているプロバイダである。他の一つは、サーバ用に固定IP8を提供してもらっているプロバイダである。
一般家庭契約のプロバイダとの接続は、添付されていた「フレッツ・光プレミアムスタートアップCD−ROM」からスタートアップツールをインストールし、ガイドに従って設定していけば、比較的簡単にインターネットに接続することができた。
問題は、固定IP8を提供しているプロバイダとの接続である。「スタートアップCD−ROM」に添付されているpdf版の詳細マニュアルの該当項目を探し、何回か設定しなおし、pingやnslookupコマンドで接続を確認した。
結論から言えば、PPoE接続のカテゴリーで設定し、CTUのファイアーウオールを全て解除する必要があった。
pingコマンドで、IPで接続確認はできたが、ドメイン名による名前解決ができなかった。

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DNSサーバも、自宅サーバ内に立てていた。光フレッツに変わることによって、IPアドレスが変更になっていたので、Bindの設定も該当部分を変更していた。名前解決できないので、その原因を調べるために設定ファイルに記述の誤りはないか何回も見直した。解決できない!!!
そんな時に、名前解決の仕組みを思いうかべた。ドメインを管理しているレジストらが、そのドメインのDNSサーバのIPアドレスを登録していることを思い出した。
私の場合、自宅サーバに自分のドメインのDNSサーバを立てていた。
今回の工事でDNSサーバのIPアドレスが変更になり、DNSサーバのIPアドレスとレジストラに登録しているDNSのIPアドレスが異なるために、名前解決できないことが分かった。

レジストラに登録しているDNSサーバのIPアドレスの変更

レジストラに登録しているIPアドレスを変更するにはどうしたらよいのだろうか。
私のドメインを管理しているレジストラのWEBを調べたところ、DNSのIPアドレスを変更する画面があった。その画面から、新しいIPアドレスの登録を行なった。古いDNSサーバのIPアドレスがキャッシュされているので、更新が迅速に行なわれるように正引きゾーンファイルの$TTLの設定を86400(1日)から1800(30分)に変更した。
数時間後には、名前解決ができ、私のホームページが正常に表示されるようになった。光フレッツの工事を始めてから24時間後であった。
自前のサーバにDNSサーバを立てていて、サーバのIPアドレスが変わる場合は、注意!!!

回線およびサーバを切り替えて3週間経過する。これまでの感想は、
    1. 光回線に変わり、Flashの画面表示が速くなった。5倍ぐらい早くなった感じである。
    2. SSDを採用したことにより、無音になった。ファンレス仕様のみだと、HDDの回転音が、
       耳障りであった。SSDは、すばらしい。
    3. 省電力、推定20ワット程度の低消費電力を達成。
    4. SSDの耐久性を疑問視する向きがある。何年使用可能かは、このサーバで検証する。

昨年(2009年)7月にAtomN270を搭載したJETWAY製ファンレスマザーボードJNF94-270-LFを使用して、サーバを構築いたしました。参照:サーバ仕様の項
2009年7月の時点では、ファンレスサーバを構築するには、ノートパソコン用AtomN270搭載、チップセットはintel945GSE+ICH7搭載のJETWAY製のマザーボードの選択しかなかった。このサーバの問題点は、Single-CoreのAtomN270で性能がいまいちであった。
2010年1月4日からDual-CoreのAtom D510と新たにAtom専用に開発されたチップセットIntel NM10 Expressを搭載したIntel純正のマザーボードBOXD510MOが発売された。インテルD510MO

Intel純正マザーボードD510MOを使用した究極の「無音サーバ」を構築した。

現行サーバ(2009年7月制作)と新サーバ(2010年2月制作)の仕様比較

  現行サーバ(2009年7月制作) 新サーバ(2010年2月制作)
マザーボード JETWAY JNF94-270-LF Intel D510MO
CPU Atom N270
(Single-Core)
Atom D510
(Dual-Core)
メモリ 200PIN SODIMM DDR533(DDRU)
1G×1枚
240PIN DIMM DDR2 SDRAM PC6400
2G×2枚
SSD CFD CSSD-SM32NJ
32G 読込155MB/s 書込95MB/s
Intel SSDSA2MP040G2R5
40G 読込170MB/s 書込35MB/s
OS Debian GNU/Linux5 (lenny)
(Intel x86 32bit版)
Debian GNU/Linux5 (lenny)
(AMD64 64bit版)
消費電力 約20W 約20W


仕様に基づいて部品パーツをネット販売店から購入した。
参考までに型番と購入価格を記載します。

パーツ名 型番 購入金額
マザーボード Intel BOXD510MO 7,380
PCケース(電源内蔵) AOpen S110 Black/90W 8,700
SSD Intel SSDSA2MP040G2R5 40G 11,939
メモリー DIMM DDR2 SDRAM PC6400 2GB/JEDEC 2枚 7,160
OSとアプリケーション Debian Linux5 (lenny) 64bit版とアプリケーション 0
35,170

1.上記以外に、送料、代引き料が発生している。
2.CPUがAtom N270からAtom D510へ、メモリーが1Gから4Gへ、OSが32bit版から64bit版へ性能アップしているので、個人使用のサーバなので充分な性能である。
3.Debian Linux (lenny) 64bit版のインストールであるが、AMD64版をダウンロードし、インストールした。何らトラブルは生じなかった。

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